先に客の買い方を考えると、売り方がみえてくる。
こんにちは、マーケティング アドバイザーの渡辺敬治です。
私は、スポンサーから販促プラン作成の依頼を受けた場合、販売方法や宣伝を考える前にマーケティングをどのように意識しておられるのかをお聞きします。
具体的には…
「ターゲットの客層をどのように捉えているか」
「あなたは、なぜそのターゲット層にアプローチ可能なのか」
「その人々が根本的に望んでいるのはどんなことなのか」
「そのために見込み客は、どんなものを探しているのか」
「見込み客はそれをどうやって見つけるのか」
「それがどのような結果をもたらせば、顧客はお金に変えられない価値だと思えるのか」
といった感じの質問になります。
反対にスポンサーが伝えたがる、商品に対しての機能・性能、品質・価格、ネーミングやデザイン・販売体制やこれまでの実績・目標金額についての質問は、優先度の低いものになります。
それはなぜか?
事業計画や商品開発などほとんどの企業がまず最初に考えようとします。
それは…「モノの売り方」です。
しかしマーケティング的にはそれよりも
「見込み客のモノの買い方のほうが重要」と考えるからです。
その基準を、簡単な箇条書きリストに整理してみるとこんな感じになります。
●事業計画の間違った考え方
1)まず最初に何を売ろうかと考える
2)これを誰が買うのかを考える
3)どうやって売ろうかと考える
4)いくらなら買うのかを考える
5)ライバルに勝つ方法を考える
●事業計画の正しい考え方
1)我々は誰(どんな属性の人々)にアプローチできるかを考える
2)彼らはどんな風になりたがっていて、その実現のために何が必要だと思っているのかを考える
3)彼らは、それをどうやって見つけ、買うのかを考える
4)自分の商品やサービスが、彼らにとってどんな価値があるのかを考える
5)ライバルと競争しない方法を考える
皆さんは、この違いをどう思われますか?
この違いが、違和感なく受け止めることができる方は、マーケティングというものをかなり理解しているか、天性の商売人です。
私自身は、どうやら天性の商売人ではないようで、かなりマーケティングを学んでからこの考え方に行き着きました。
しかし、しっくりこないと思った方が、能力のない方かといえばそうではありません。
実際に起業されている方は、かなり高い確率で優秀な方ばかりだと思います。
ただ、立場を「売り手・作り手」側に立ってビジネスを構築していたり、その人の強みが、ものを創る能力や技術に特化していたりすることが多いからです。
もちろん、ビジネスは強みのあるところで勝負するべきです。
強みのないところでは、絶対に勝負してはいけません。
ただ、ほとんどの人は、関心が「自分」にあるため、ビジネスや商売といったことを考える場合の順序が、マーケティング上間違ったものになっているということです。
ところで…
このテーマは、このまま書き続けると、膨大なページ数になってしまうなと、今更気がつきました。
今後細かいコラムに分けて書きながら、そのうちしっかりしたレポートにまとめてゆきたいと思います。
では、今日はこの辺で…